2011年の夏、アーセナルは「パニックバイ(panic buy)」と揶揄される緊急補強を行いました。これは一体何が背景にあったのか、そして実際に獲得した選手たちはどのような活躍を見せたのでしょうか?
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なぜパニックバイが起きたのか?
2011年夏、アーセナルはキャプテンのセスク・ファブレガスをバルセロナに、サミル・ナスリとガエル・クリシーをマンチェスター・シティに放出するなど、主力選手を一気に失いました。さらに、8月28日にはマンチェスター・ユナイテッドに8-2で歴史的な大敗を喫し、クラブとファンに衝撃が走ります(出典:Sky Sports)。
この事態を受け、監督のアーセン・ヴェンゲルは移籍市場の最終日にかけて一気に複数選手を獲得。その動きが準備不足と受け取られ、「パニックバイ」と呼ばれることとなりました。
獲得された選手たち
- ミケル・アルテタ(エヴァートンから)
- ペア・メルテザッカー(ブレーメンから)
- アンドレ・サントス(フェネルバフチェから)
- ヨッシ・ベナユン(チェルシーからレンタル)
- パク・チュヨン(モナコから)
これらの選手は、移籍市場の終了間際に獲得され、一部はファンから「間に合わせ」の補強と見られていました(出典:Transfermarkt)。
彼らのパフォーマンスの実態
ミケル・アルテタは中盤で安定したプレーを見せ、最終的にはキャプテンを務めるまでに成長。公式戦150試合出場、16ゴールという実績を残し、引退後は現在アーセナルの監督を務めています(出典:Transfermarkt)。
ペア・メルテザッカーは守備の柱として7シーズンで221試合に出場し、2017年にはキャプテンとしてFAカップを制覇。引退後はアーセナルアカデミーの責任者に就任しました(出典:Transfermarkt)。
アンドレ・サントスは攻撃力に優れる左SBとして期待されましたが、守備面での不安が露呈。2シーズンで33試合に出場し、クラブに大きなインパクトは残せませんでした。
ヨッシ・ベナユンはレンタルながら25試合出場6ゴールと貢献し、クラブのCL出場権獲得に寄与(出典:Transfermarkt)。
パク・チュヨンはわずか7試合1ゴールのみで、そのキャリアの多くをローンやベンチで過ごしました。完全な失敗補強と評価されています。
まとめ
アーセナルの2011年のパニックバイは、クラブが危機的状況にある中で、経験値と即戦力を重視して行われた補強でした。一部の選手は長期的な貢献を果たしましたが、他は期待に応えられずに終わっています。
「パニックバイ」という言葉には否定的なニュアンスがありますが、状況次第では結果的に功を奏することもあるという好例とも言えるでしょう。
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